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2018/03/14落下による大腿骨顆上骨折

「落下による大腿骨顆上骨折」

 

 

一般的によく見られる骨折としては、前肢の橈尺骨骨折(以前にブログ掲載)がありますが、今回は大腿骨の末端骨折です。

膝の関節の両サイドは”顆”と呼ばれ、左右の側副靱帯の起始部になる所です。スポーツ選手などが傷めやすい靱帯で、目にすることもあるかもしれません。

今回はピンポイントに、顆が骨折した症例です。

症例は1歳の日本猫の男の子。階段から飛び降りた後から、右後肢を挙上して歩いているとのことで来院されました。

右後肢は挙上していましたが、時々着地できる程度の状態。念のためレントゲン検査を行ったところ、右側の外側顆上の斜骨折が見られました。

 

 

 

顆上が斜骨折を起こしたことで、骨に付着する筋肉の牽引力がずれを起こさせて、足を動かす度に擦れるといった状態。

かなり痛そうですよね。

幸いにして、膝蓋骨がおさまる滑車溝までは骨折していなかったので、骨折部位を固定する手術を行うことに。

 

外側からアプローチして、関節包を露出させて切開を行い、骨折部を視認。

骨鉗子を用いて、ズレた部分をもとに戻し、1.2のキルシュナーワイヤーを挿入して一個目の固定。

そのあと、2.4の海綿骨スクリューを挿入して二個目の固定をして終了。

 

 

 

術後2日目から普通に歩けるようになり、退院した後、術後12日目に抜糸に来られた時には、普段通りの生活ができているとのこと。

 

運動制限はお伝えしておいたのですが、猫の性格上、動ければ無理をするので、家ではイスにジャンプしたりしているとのことでした。

 

特に太っている子ではないのですが、猫とはいえ、不意な落下には足も耐えられないのでしょうね。おっとりした猫ちゃんには注意が必要かもしれませんね。

 

 

 

 

院長 金子